省エネ適合判定物件においては、計算に使用する各数値の根拠を必ず求められます。機器表には各能力値と参考品番の記載をお願いします。
届出時に機器が選定出来ない場合は、計算上必要な各能力値(下記②参照)と、JIS番号の表記(下記③参照)をすれば、参考品番の記載は不要な場合もあります。
工事途中で設備機器に変更が生じた際は、完了検査前に変更届(軽微な変更届等)の提出も必要となります。
今回は空調設備編です。
①各機器の参考品番を明記してください。 (例1)
②メーカー仕様書の数値や記載事項との整合を図ってください。(例2)
空調機器の場合、以下の項目の記載をお願いします。
・機器の種類 (パッケージエアコン〔空冷/水冷等の表記まで必要〕、ルームエアコン、ガスヒートポンプ式等)
・定格能力 (冷房/暖房)
・消費電力 (冷房/暖房)
・定格燃料消費量 (ガス使用の場合のみ 冷房/暖房)
また、全熱交換器も算定対象です。以下の数値の記載をお願いします。
・設計給気風量、設計排気風量
・全熱交換効率 (エンタルピー交換効率 冷房時/暖房時)
・自動換気切替機能の有無
・予熱時外気取入停止の有無
③JIS規格による各性能値根拠の記載が必要です。 (例3)
②で記載される各能力値は、JIS規格によって測定された値である旨の根拠が必要となります。
①の様に参考品番を記載頂いた場合は、メーカー仕様書やそれに付随する自己適合宣言書を添付図書とすれば、図面上にJIS規格の記載の必要はありません。
機器選定が出来ない場合等は、機器表に記載の各性能値がJIS規格による数値である旨の文言が必ず必要です。この場合は完了検査時に、選定された機種のメーカー仕様書の提出が求められます。
また機器の種類によって、JIS規格番号がそれぞれ異なりますので、記載の際は注意が必要です。
主な空調機器の、省エネ計算に関連するJIS規格番号をまとめましたので、ご参考下さい。
・パッケージエアコンディショナ(空冷/水冷) ⇒ JIS B 8616(他にJRA4002等)
・ルームエアコンディショナ ⇒ JIS C 9612
・ガスヒートポンプ冷暖房機 ⇒ JIS B 8627(他にJRA4058、JRA4069等機器により異なります)
・FF式暖房機等 ⇒ JIS A 4003(温風暖房機)、JIS S 2031(密閉式石油ストーブ)
・全熱交換器 ⇒ JIS B 8628
④配置図の作成について (例4)
各熱源や室内機器の位置・個数、またそれらを繋ぐ配管やダクト経路の記載は、必ず必要です。
増築工事等で、既設建物と熱源を共用する設備に関しては、既設建物の関連部分の図面、機器仕様が必要な場合もあります。